『金刀比羅宮書院の美』その1

朝から寒い寒いと繰り返し言いながら、階段を上ってきたので、
書院につく頃には、体がすっかり暖まっていた。

書院の中は表書院、奥書院、白書院と3つに分かれているが、
中でつながっており、一周すると、表書院の玄関に帰ってくるようになっている。

靴を脱いで上がるのだが、スリッパはないので、
板の間の冷たさがじんじんと伝わってくる。

息を吐けば、室内なのに息が白くなる。
それもそのはず、表書院の庭に面する所には窓がない。
一周してみると、書院全体に暖房はなく、展示を解説するスタッフも、
皆、黄色のコートを着ているのだった。

美術館では展示物はガラス越しにしか見られない。
でも今は、ふすまに描いてある絵(障壁画)が、元の状態で、あるべきところにある。
畳の上に立ってみると、昔の人の背丈、というのをとても感じるのだった。
天井はそれほど低くないが、鴨居が低いので、180センチ位だったら、
部屋を移動するとき、かがむしかないだろう。

表書院では、丸山応挙の水呑みの虎や山水図などを見て、
奥書院では、ふすまに規則正しく色んな花が描いてある
若冲の花丸図を見る。
正座をしてじっと見る人に混じって、自分も座って見る。
「昨日は人が多かったけど、今日はじっくり見れていいね。」とスタッフの方。

若冲の所の長押(なげし:鴨居の上に取り付けられた材木)は、
花をデザインしてあってこだわっている。
いつまでも見ていたいが、あまりの寒さに片足の上に片足を乗せてみたが、
暖かくならない。

隣の部屋には、若冲より80年くらい下って、
岸岱(がんたい)という人の、蝶が群れて飛んでいく図があり、
本物の蝶のようで見ごたえがあった。

次の白書院は椿書院とも呼ばれていて、現在、田窪恭治という画家が
ふすまと長押に琴平山に自生するヤブツバキをパステルで描いている。
運が良いと描いてる所を見れるらしい。一人で描いているので、あと何年か
かかるとスタッフの方から聞く。

ようやく一周回って、表へ出た私は、御本宮目指してまた歩き出した。


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by hon-j | 2008-01-24 15:45