九博・若冲の記念講演会に行ってきました

プライスコレクションはわがままなコレクションだ、と小林教授は言った。

1/8の小林忠教授の講演を聞いてきました。
(勝手な思い込みが入ってたらすみません)

小林教授は江戸絵画に詳しい先生で、特に鈴木春信が好きな人だ。

春信は北斎や歌磨より前の時代に活躍した、多色刷り木版画の先駆けで
幼い顔つきの絵柄が特徴的な絵師だ。それまでは一色や二色などが主流で、
あとからその絵に手で色を塗ったりしていたのだが、春信の時代になって
全部木版画で仕上げられるようになった。

歌磨が胸から上の顔写真を多く撮る写真家だとすると、
春信はテーマを設定して舞台装置を造り上げてから、
そこに人を配置して、その人たちにも目線で演技させるような写真家だ。
その目線が気になって卒論に選んだのだけど結果は散々だった。
まぁ、それは横に置くとして、春信や江戸絵画についての本を
小林教授は分かりやすく書いていらっしゃるので、読みました、というのが
言いたかったわけです。

今日はプライスさん夫妻もいらっしゃってお話を聞かれていました。
プライスさんは日本語は分からないので寝る、と言っていたけど、
奥さんが面白いことはちゃんと訳して伝えていたようでした。

小林教授の考え方なのかプライスさんもそう考えているのか、
江戸絵画は『自然を再構築する美術』で、『空間の緊張』がある美術、のような
事を語っていらっしゃったので、そうかもなぁと思いました。

最後の質問コーナーで、裏彩色(裏からも色を塗って表面にニュアンスをあたえる
技法)を若冲以外のその時代の絵師達もしていたのか、という疑問があり、
いくつか確認されたが、多くを見れない(修復のときしか裏を見れない)ので、
これからの研究です、というお答えでした。
気になりますね。


江戸の春信は京都の西川祐信から影響を受けたりしていたのだけど、
若冲や上方の絵師は江戸からは影響を受けなかったんだろうか。
今と違って東京が地方っていう感じなのか、気になる。

一般の美術館は時代の流れごとにコレクションしていくけど、
プライスさんのコレクションは自分の好きな作品を集めている。
わがままなコレクションはちょっと憧れな収集方だ。
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by hon-j | 2007-01-08 19:30