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九州国立博物館 開館10周年記念特別展『美の国日本』に行ってきました。


お昼時は少ないかな~と思っていたら太宰府天満宮への参道は
いつものように修学旅行生と外国からの観光客で溢れていました。

それにしても人が多いのは七五三シーズンだったり
菊花展と秋の銘酒展も開催されていたせいでしょうか。
(今日は夜の七時ごろから更衣祭という衣替えの儀式もあるとか!)


参道にいつのまにか九博のミュージアムショップ(分館?)が出来ていたので
行く途中にちょっと覗いてみました。
来年の干支の猿に関するグッズや九博のグッズ、筆や紙などがあって
長居しそうだったのでとりあえず出て、梅ヶ枝餅を頬張りながら博物館へ向います。

パンフレットに大きく載っていた螺鈿の琵琶の展示は終わっていましたが、
遮光器土偶や火焔型土器など教科書に載っている作品が色々と展示されていました。


『龍首水瓶(りゅうしゅすいびょう)』は瓶にペガサスが描かれている珍しいものでした。
注ぎ口は龍の顔になっています。


『鉄樹』という現代アートのオブジェのような鉄で出来た木の枝もありました。
藤原秀衡の床飾りだったそうです。

『葦出絵和漢朗詠抄(あしでえわかんろうえいしょう)』は
絵の中にデフォルメされた文字が描かれているもので
読めないなりに字を目で追っていくと、たしかに絵が文字になっているものがあって、
発見できた時は嬉しかったです。


『不動明王三童子像』という3メートル近い大きな掛け軸も迫力がありました。

不動明王はよく制多迦童子(せいたかどうじ)と矜羯羅童子(こんがらどうじ)を連れているのですが、
この絵は矜羯羅童子の隣にもう一人居るのです。

誰だろう?と調べて見ると蓮華童子(れんげどうじ)という聞き慣れない名前が出てきました。
(長崎県の文化財のページへ)
検索してもなかなか出てこない蓮華童子・・・・・・。むむぅ、なにやつ。

二童子のどちらかというと紅い色した制多迦童子がカッコいいので目が行きます。



3階の文化交流室では
『田主丸コレクションの茶陶』
で素敵な唐津焼を見ました。

やきものが好きな方は文化交流展示室10室へGOです。


九博の第36回ぶろぐるぽ
に参加しています。
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JRの目白駅からバスで10分ほど揺られながら窓の外を眺めていると、
急な坂道を下った先にビルの群がちらりちらりと遠くに見える。

山手線に乗っている時は気付かなかったが、この街はかなりの高台の上にあるようだ。

バス停を降りて5分程度歩くと住宅街の中に木の茂った小道がある。
落ち葉を踏みしめて奥へ進むと白い建物が現れる。
細川家ゆかりの永青文庫だ。
もともとは仕事場として使われていた建物が今美術館となっているらしい。

前期の最終日の夕方4時ごろ、入場待ちの列で20分くらい並んでようやく中へ入ると
狭い館内に大勢の人がひしめいていた。

会場はまず4階へ上り、3階、2階と下って展示を見て回る。
1階には展示は無く、別棟に春画展のグッズや図録を扱うミュージアムショップがある。
(お土産を買うだけならチケットはいらない)。

展示室はどこも混んでいて、どこから見てもOKだというので
4階、3階をサラリと見て2階へ行き、また上の階へ戻って
さきほど見られなかった作品を見た。

春画のみの展覧会は永青文庫が日本初だが、
今年の夏、福岡でも浮世絵展の一室が春画でいっぱいだったことがある。

この展覧会を見てわたしは衝撃を受けた。
春画の入門本を持っていたものの、実際に見ると大きさや色の綺麗さに驚く。
それに本に載っているのはほんの一部で見たことが無い絵がたくさん並んでいたのだ。

大勢の人と生の春画を見るという体験は自意識過剰のわたしには辛く、
冷静に見ることなどできずに初めての春画鑑賞は終わった。


そして予習に予習を重ね、永青文庫である。

浮世絵展の一角に春画のための部屋が設けられていた福岡の展覧会とは違って、
最初から春画を見ようと集まった人たちというのは照れが無いのでよく喋るなぁというのが
展覧会を見ている時の印象だった。

たとえて言うなら温泉に来たら奥の方に混浴の温泉があったので、
せっかくだから入ってみようと入るのが福岡で
「今日は混浴の温泉に入りに行くぞ」と
目的意識をはっきりさせて温泉に浸かりに行くのが永青文庫の春画展だ。


会場内の何が違うのだろうと考えると、まず明るさが違う。
福岡の皓皓と照らされた広い展示室ではみな自分の表情を表に出さぬよう、
うつむくか目を合わせないようにするしかなかったが、
永青文庫は薄暗いのと人が多すぎるのであまりそういうことが気にならなかった。

たぶん、皆「日本初の春画展をみるぞ」と同じ目的で来ているせいもあるのだろう。

美大生だろうか、2人組や3~4人のグループで来ている若い人も多い。
春画は「濡れる」というイメージから転じて持っていると
火事よけのお守りになると思われていて、
月岡雪鼎の春画は特にそのご利益があるということで、
雪鼎の作品を持っているミカエルさんの美術館はもう4、5回火事を免れてるね!
と話している女の子たちがいた。

北斎の有名な海女と蛸の絵の前では書き入れを朗読する若い女の子2人組もいた。
蛸のセリフが面白いのでついつい読みあげてしまうのかもしれない。

女性の方が日本美術に詳しい男女のカップルは、
女性がくずし字を見て「昔も今も変わらないね」と男性に語りかけていた。


こんな風に何人かで絵を見ながらクスッと笑う光景と言うのも江戸時代にはあったんだろう。
それが展覧会で体験できているようで面白かった。


2階には豆判という名刺を一回り大きくしたような紙に刷られた春画があった。
組み合う二人の背景に空から降ってきたようなバラバラの向きの将棋の駒の作品が印象に残った。
(こちらは後期には展示されない。図録にはあり)。


1時間から1時間半くらい見るつもりで行くといいかもしれない。


永青文庫 春画展
2015年12月23日(水・祝)まで。

2016年の2月からは京都の細見美術館に巡回するそうです。
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