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チラシの絵の、シュールな赤ちゃんに惹かれて、長崎県美術館に行ってみた。
全90作品が日本初公開!というのにも惹かれて。

長崎県美術館「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール」展。
奇跡のコレクション スイス発 知られざるヨーロピアン・モダンの殿堂 2011年3月27日まで
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同じアーティストの作品は少ないけれど、その分自分の好きな絵に会えるかも。
美術館は海の近くにあって気持ちのいい散歩ができます。

以下感想。
アルフレッド・シスレー『朝日を浴びるモレ教会』教会の上の青空がとてもきれいだった。

オディロン・ルドンの、花瓶に活けられた花束は華やかだけれども、静かな感じがする。『野の花』

ジョルジオ・モランディの静物画は2枚あって、どちらもビンなのに温かみがある。
色が優しい淡い色のせいかな。
チラシに載っていないココア色がメインの瓶の絵が私ごのみです。

アンリ・ルソー『赤ん坊のお祝い』
赤ちゃんのわりに、たくましい手足。きりっとした目元。
実際、こんな赤ちゃんいないだろうけど、赤ん坊の生命力の力強さを感じる絵だなぁ。

たしか会場にはルソーは素人画家だと書いてあった。
もうすこし知りたい人である。


特別展を出て、常設展も見る。

陶器の展示とダリの作品が面白かった。

ダリの作品のタイトルは忘れてしまったけど、海の皮膚をつかむなんとか。
波がペロンと皮をめくるようにつままれている。
大きくない絵なので、じっくりと見れる。筆の跡を感じさせない写真のような塗り方で、細部まで細かい。

帰りにちょろっとランタンフェスタを見てきた。
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お仕事プラス恋愛の漫画が好きである。

ひうらさとるさんの『ホタルノヒカリ』。槇村さとるさんの『Real clothes』。
磯谷友紀さんの『本屋の森のあかり』。鴨居まさねさんの漫画など。

ドラマチックに話が展開するのもいいけど、小さい会社でこつこつ働く話も好きである。

自分の知らない世界が広がるようで、楽しいのだ。
漫画を読む楽しみ全般に言えることかもしれないけども。


2月12日、博多駅の交通センターにある、紀伊國屋書店福岡本店で行われた、
カルチエ福大
「『生きづらさ』に立ち向かうために~小説家と教育学者の立場から~」に行ってみた。

メインは芥川賞作家の津村記久子さんと福大の教育・臨床心理学科講師の植上一希さんの対談。


始めに福大の方による二人の紹介と、会場のお客さんへの質問(来ようと思った理由など)、

六作品の解説(『君は永遠にそいつらより若い』『ミュージック・ブレス・ユー!!』『アレグリアとは仕事はできない』『ポトスライムの舟』「十二月の窓辺」(ポトスライムの舟に収録)『八番筋カウンシル』)、
その後に対談、休憩を挟んで質疑応答という流れだった。


津村記久子さんの本もお仕事プラス恋愛物のような感じで手に取った。
装丁は女性が好きそうなデザインと優しい色合いだったからだ。
『カソウスキの行方』はそういう風にも読めたので、次の作品も借りた。その次もその次も。

・・・・・・恥ずかしながら、私は津村さんの対談に行こうというのに著作を一冊も持っていないのである。

小説は図書館で借りることが多い。
なので、私の読んだ本のブログのカテゴリは「買わない人の読む本」という。

今日、紀伊國屋書店福岡本店を訪れたのは、作家さんを生で見る機会なんてさらさらないし、
無料と言う言葉に弱いので来てしまったという、ただのミーハーゆえなのだ。


そういうわけで、会場で一緒になった女性に「生きづらさを感じてますか?」と聞かれて、
私はうーんとうなってしまった。
無論、感じてないわけではないのだけど、人に言うのは気が引けるのだ。

そもそも「生きづらさ」とは何か。

津村さんの作品には抑圧された人というのが多く出てくる、と解説にあった。
会社や学校でうまく立ち回れなくて、それでもそこから逃げ出すこともできないので、
傷付きながらも生きている。

私が作品を次々と読んだのは、自分に近いことが書いてあると思ったからだ。
給料が高いわけでもなく、将来に展望が開けているわけでもない。
主人公に大逆転のハッピーエンドが用意されているわけでもない。

正直に言うと、ハッピーエンドを期待しながら読んでしまうのだが、
津村さんの作品は、大きく跳ばずに一歩踏み出す感じで終わる。

対談ではそれについて、
「平均くらいの身の処し方を書いている。ちょっとはずるくなっていい。悪いやつになっていい」
「抑圧されている状況にいなければならない自分は悪くないということを言いたい」と語っていた。

小説にしか書けない強みは「一般論ではなく、倫理を少し外したことが書けること」だそうだ。
自分はやらないけど、少しの思い切りがあると出来そうなことを主人公たちにやらせている、
というようなこともおっしゃっていて、たしかになぁと思った。



対談が終わり、会場で本を買った人は自分の名前と津村さんのサインを書いてもらえたのだが、
書いてもらっている間、何を言って良いか分からず、結局何も言えないまま私の番は過ぎてしまった。

津村さんが可愛い名前ですね、と言ってくれたので、いえいえ滅相もない!とか音楽のことは分からないんですが、この本(『ミュージック・ブレス・ユー!!』)好きです、とか言ったらよかったのに!


失敗した発言を自分は覚えてるけど、言われた人は一週間くらいで忘れてるから、
気にしないでいろんな人に話しかけたらいいですよ、と質疑応答の時間ににおっしゃっていたので、
私も書いて忘れることにします。



カルチエ福大の二月のサイトへ。


追伸(見てないかもですが)
福大の方へ。先日はブログにご案内頂きありがとうございます。おかげで楽しい時間を過ごせました。
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ナンチャンが来ると聞いて、先日行ってきました
「現代狂言V 狂言とコントが結婚したら」
もう5周年だそうです。
以前、きのこの狂言を探していたときに、現代狂言を動画で見たことがあって、
アートリエでチラシを見つけてしまったので行ってみたのです。(3000円の一番安い席で)
今回福岡が初舞台(2月5日)だそうで、それも嬉しいではありませぬか。

演目は三部構成になっておりまして、
一「六地蔵」(狂言)
二「五獣拳」(現代狂言)
三「ドラゴンキャッスル」(現代狂言)という具合。



「六地蔵」は、六体の仏像が欲しい田舎者が、都に出てきて詐欺に遭う話。

詐欺師は儲けようとして三人の詐欺師仲間に話を持ちかける。

六人でないのは、その方が分け前が多くなるからだ。
三人で六体の地蔵を演ずることになるから、さぁ大変。

さてさて詐欺師が騙し通せるか、田舎者が気付くのかは見てのお楽しみ。

二はそれを現代風にアレンジしていて、格闘家が五獣拳という五体の像を探しているところに
詐欺師が通りかかる。

詐欺師仲間は今度も三人。騙し通せるかは、やはり見てのお楽しみ。


三は浦島太郎(うら・しまたろう)が亀さんに連れられて海の中の竜宮城、
ではなくて、ドラゴンキャッスルという近未来のニートのアパートに行く話。
ニートが職業になっている未来とは・・・・・・?


見ていて思ったのは、
狂言は繰り返されることに面白さがあるのかな、ということ。
コントと似ています。

能楽堂はLという字を左にひっくり返して、それをさらに左へ90度回転させた形をしています。
短い線の方が面積が広くてお客さんから見て正面になる。


能や狂言は舞台と違って、真横から見られるのが新鮮でした。

基本は正面のお客さんに向けた演技ですが、
正面でやったことをもう一つの面でもやってくれたりしてサービス精神に溢れていました。
現代風だなぁと思う場面。
歌に合わせて、会場の皆で、さっ、さっ、さっ、さっ、と手拍子したりするのも楽しかったです。
キャストの特技を活かした演出がいっぱいあるのも見どころかも。

入場料分以上笑って、ちょっとほろりとしたり、ううんと考えるところもあったりして面白かったなぁ。

最後、弘道お兄さんと握手したであります!さらっとしていた。



そして翌日は、能と狂言の初心者向け講座に行ってきました。
「能楽堂へ行こう! 能楽入門講座2011」

狂言は「清水」
能は「船弁慶」

「清水」は主人に頼まれた太郎冠者(家来)が山に入って水を汲んでこいと言われるけど、
面倒くさくて行きたくない。そこで一計を案じるのだけどというお話。

太郎冠者が、主人に対してぞんざいな言葉づかいをするのだけど、
日頃上司にはこんな風な口をきけないので、ちょっと笑ってしまう。

「船弁慶」は、義経、静御前、弁慶、平知盛がでてきて見せ場の多い人気曲、
とチラシに書いてあったので観たくなってしまいました。

あらすじ
西国へ落ちのびるため静御前を置いていく義経。別れの舞を舞う静御前。
義経一行は出発した舟の上で平知盛の怨霊に遭うが、弁慶が祈祷して怨霊が消え去る。

「船弁慶」に出てくる義経は子役がやっていたけど、大人の設定だよなぁ・・・・・・なんでだろう。
前半は、昔の言葉について行けず、うとうとと舟を漕いでしまいました。

後半の舟が出てくるシーンや、知盛が襲いかかってくるシーンなどはどきどきして観ました。
義経の目と鼻の先まで、なぎなたを持った怖いお面の役者さんが来るのです。コワイよ!

間(あい)狂言っていうのは、Aという一つの能とBという一つの能の間にやるものだと思っていたのですが、
一つの能の中に突然そこだけ狂言が入ってくることを言うんですね。
シリアス漫画の中にいきなりギャグが入ってくるような。
それでも、雰囲気を壊さずに話が続くのが面白かった。


また初心者向けがあったら行ってみたいなぁ。
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「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人」を観てきました。

KBCシネマ
で2月11日まで。

ナショナルギャラリーのキュレターさんにキュンときてしまった。

強めの巻き毛、メガネ、紺のジャケット、水色のシャツ、エンジのネクタイ、
ベージュの綿パンを腰で履いてる。30代半ばから40代くらいだろうか。カッコいい!


ハーブとドロシーは一般市民ながら、自分たちの給料で30年間、現代アートをこつこつコレクションしていった夫婦で、コレクションをナショナルギャラリーに寄贈した今も、その謝礼金などでアートを集めている。

コレクションの基準は1LDKのアパートに入ること、と自分たちの収入で買えること。


アーティストの話は美術の教科書にも載るけど、コレクターの話は見たことがなかったので、
どういうふうにして、アーティストと関わっていくのかというのがドキュメントとして見れたので楽しかったです。

あんなふうに自分の作品をじっくり見てくれる人がいるとアーティストもやりがいがあるんじゃないかな。

コレクションは数が多すぎて(1LDKの部屋に5千近く!)ナショナルギャラリーだけには
入りきらず、全米50州の美術館に少しずつ分けて寄贈されることになったそう。
こちらもドキュメント映画として製作されるようです。


エンターテイメントという映画ではなかったけど、1960年~くらいのアメリカのアート(ポップ、ミニマル、コンセプチュアル)に興味がある方や、仲良しな夫婦を見たい方は観に行くとよいかも。




ハーブのようにアートの勉強がしたいな。通信大学かなぁ。美術検定もよさそうではある。
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小川洋子『ミーナの行進』
中央公論新社

数十年前の神戸の芦屋にある洋館を舞台に女の子二人を中心に物語が進んでいく。

ポチ子にびっくりするだろうので何の動物かは秘密にしておこう。
登場人物や小道具も素敵だった。


宮下規久朗・井上隆史『三島由紀夫の愛した美術』新潮社とんぼの本

聖セバスティアヌスがたくさん載っていた。

グイド・レーニかソドマか選べと言われたらレーニかなぁ。

美術を語るのにいったい何を学んだら、素敵に語れるようになるんだろう。
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シュールなものが絵の中からじっとこちらを見つめている。

猫か犬のような胴に人の顔が付いている。
人面犬と言うと想像しやすいかもしれない。

頭には赤いリボンを巻いて、ちょっとおしゃれをしている。

表情はあまりない。眉も口もフラットな一直線である。

そんなへんてこな物がいるのに、誰も驚いたり、珍しげに見たりしていないのは、
見えていないのか、興味がないのか、はたまた私だけに見えるのか。

しかもあちらの掛け軸に一つ、こちらの絵巻物に一ついる。作者は別々だ。


入り口近くにあるのは、江戸時代の絵巻物で、タイトルは「きりぎりす絵巻」。
貴族の嫁入り風景を人の代わりに虫が演じている。

嫁入り道具を持つ家来も虫だ。

横に見ていくと、なめくじが牛車の代わりに車を曳いている。


アメ車ならぬナメ車だ。


虫が両端をかつぐ駕籠の中には人形と真正面を向いているそいつがいる。

もう一つの絵は鈴木守一の「桜下花雛図」。
草をお内裏様とお雛様の雛人形に見立てた絵で、その下に横向きのそいつがいる。

家に帰って犬、雛人形で検索してみた所、犬筥というのがどうやらそいつの名前っぽい。
小学館のサイトへ

犬は多産の象徴だそうなので、雛人形や嫁入りに持って行ってもおかしくない。
こいつは犬筥だ!と結論づけてみたものの、正解は学芸員さんに聞いていないので分からない。

素敵だったのは、
酒井抱一の「青面金剛図」。
普通、掛軸の回りはきれいな布で表装されているのだけど、
抱一はその縁取りの布まで絵で描いているのだ。描表装と言うそうだ。
バックはマットな黒で画面が引き締まって格好良い。

鈴木基一の紫陽花と藤の花も色使いが素敵だ。「紫陽花四季草花図」「藤花図」。
紫陽花の額がお菓子みたいで、一粒ずつ口に含んだら美味しそうだ。

喜多川相説「秋草図屏風」宗達の三代目と書いてあったような気がする。
ずっと見ていたくなる萩の点々とした葉っぱのリズムが気持ちいい。

神坂雪佳の犬の絵は来ていなかったが、金魚が見れた。
ポストカードは犬の絵があったので買ってしまった。
最初に新聞の広告で見たとき、犬の体のあまりのまろやかな線に妖怪かと思ったのだった。

肝心の若冲は会場のノートに書いてあるように少なかった。
若冲が高齢になってから墨で描いた鶏は線に勢いがあって生き生きとしている。小さなひよこも可愛い。

「平家納経(模写)」も素敵でした。巻物状になっている時の巻物についている飾りや軸の細工が見事です。
こんな豪華なの初めて見た気がする。

若冲少なくても、損は無いかと思います。

北九州市立美術館『琳派と若冲展』
開催中。2011年2月13日まで。
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