ひさびさの学生になる

先日熊本に行き、現代美術館で森村泰昌さんの『美の教室』の授業を受けてきた。
ホームルームからうわの空の私は学生失格か。

全員小さなイヤホンを耳にし、森村先生の声に耳を傾けながら教室を移動し、
1時間目から6時間目、放課後までを過ごす。

森村さんという人は、絵の中の人物になりきって写真を撮り、それを作品とする
人である。セットや小道具も自分で作る。
私が本で初めて見たのはフリーダ・カーロの写真で、
フリーダを知らなかったので、なんなんだこの人は、と思ったのだった。

かもめのような形の太い眉。しかもまん中はつながりそうだ。
画面からあふれそうなむんむんとした熱気。濃い空気。痛々しい絵もあるけど、
もうちょっと見たくなるから不思議だ。
写真の森村さんは眉のインパクトを出すために、つけひげを眉に貼付けている。
それでちょうど良いなんて、なんて濃い眉だ。

だいぶ前、NHKでこの展覧会の番組をやっていたのを覚えていたので、
熊本に行く気になったのだが、番組が詳しくやっていたことを
森村さんは喋らないのだった。マネの女の人を再現すると腕がめっちゃ長いこと
とか。実際見ればわかるけど。肩なんか男性の森村さんよりかなり体格がいい。
小説を書くなら大きな嘘をつけ、という好きな作家さんの言葉があるのだが、
マネも似たようなことを言っていた。

平面を立体にして、また平面に戻すという作業だけれど、
一つの絵にある小道具を一つずつ準備していくとき、
光の加減を考えるとき、
画家の意図する所が見えていく。そんなことが森村さんを通じて、見る人にも分かる。

展覧会の後は太平燕を食べました。
上乃裏や上通り、下通りのアーケード街を歩き、市役所の展望室から熊本城を
眺め、樹齢700年のクスノキを見て、市電を乗り継いで唐人町から祇園橋まで
歩き、帰途に着きました。自分用に陣太鼓と武者返しを買う。

もっとゆっくりしたかったなぁ。なんで私が行くといつも雨なんだ熊本市内〜。

『美の教室、清聴せよ』2007,7/8まで
熊本市現代美術館。
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