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髙島野十郎 里帰り展

展覧会の会場で、「おいしそう」をこんなに連発することになるとは、思いもしなかった。


朝晩は涼しいのに日中は容赦なく暑いお天気の中、久留米の石橋美術館に行ってきた。

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(噴水の下で本物の鳥が休んでいる)



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髙島野十郎の生まれは久留米、ということで、久留米で開催中の野十郎展。
この前福岡県立美術館で見た「拝啓、髙島野十郎様」展でなんとなく野十郎のことが分かったので、
こちらも見たくて気になっていたのだ。




第1章の20代の絵は全体的に画面が暗く、何が描いてあるか分かりずらい。
第2章40代になってヨーロッパに遊学したあたりから、画面が明るくなって大変見やすくなった。

第3章の静物画のコーナーはどれを見ても、おいしそう、とよだれがでてきそうなものばかりある。

実物とほぼ同じ大きさのさくらんぼや、ぶどう、桃、柿などが、画面に描かれていて、
絵の中に手を入れられたら、取り出して口に入れたいくらいみずみずしさにあふれている。

《ぼたん》と《菊の花》の花瓶の手前に転がっているビー玉の様なものはなんだろう?
ぼたんの方は緑で、菊の方は真珠の様な色の小さな玉が一つ描かれている。

《からすうり》の絵は、枯れた葉っぱと赤い実の色の対比がきれいで、
画面の中にたくさんの実が絶妙なバランスでぶらさがっているのを見るのも面白い絵だなぁと思う。

《菜の花》の絵を見ると、「いちめんの~なのは~な~」というNHKの幼児向けの教育番組で歌っていた
山村暮鳥の詩が思い出される。
暮鳥よりも野十郎の方が後なので、読んでないとも限らないよなぁ。


別館の展示室には足を踏み入れた瞬間、おおっ!となった。
野十郎が親しい人に贈ったという、ろうそくの絵が展示されているのだが、
その場にいた人は「正直、引くわ」というお客さんもいて、賛否両論あるかもしれない。

私は、お盆も近いせいか、納骨堂のイメージが湧いてしまった。
別に悪いイメージではないのだけど。静けさを感じる感じ。

一つずつ見ていくと、細長いろうそくは一本だけで、後は太くて短いものが多い。
そういう生き方をしたいと願う人が多かったのかなぁ?それとも野十郎がそう思っていたのかなぁ。
(いや、でも彼は長生きをするのである)
だとしたら、見た目的なものなのかなぁ。

人にあげたものがこんなにちゃんと残っているなんて、野十郎も嬉しかろう。


* * *

帰りは、近くの(と言っても歩いたら10分くらいはかかりそうな)大砲ラーメンの本店に行ってきた。
店員さんは男の人ばかり。お客さんも男性一人、もしくはカップルで、女性一人はいない。

ラーメンとぎょうざ、おにぎりの付いたセットを頼んだ。(ラーメンがたしか490円でセットが220円)
麺は細く、スープはとんこつなんだろうけど、あまりくさくはなく、半分くらい飲んでしまった。
福岡に居ながら初めてラーメンやさんで、ラーメンを食べた気がする。
(いつもは家で「うまかっちゃん」)

他のお店と比べてみたい気もする。