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ハンブルグ浮世絵コレクション展

先日、大濠の福岡市美術館の「ハンブルグ浮世絵コレクション展」に行ってきた。(H23/5/8まで)

平日の午後三時半だけれど人が多い。

前回観た福岡市博物館の「大北斎展」とは違って、こちらは色んな浮世絵師の浮世絵が観られるので、
入門編にはおすすめかもしれない。


入門編と言ってみたものの、最初からちょっと変わった作品が置いてある。

菱川師宣の「酒呑童子」。人が鬼を討伐しに行く十九枚組の物語。

荒々しい鬼の姿は活き活きとしていて見ていて楽しい。
人の鎧やしぐさも細かくて、入ったばかりなのにもう足が止まってしまう。

鳥居清満の「座敷春駒踊り」の踊る女性二人と、座って楽器を演奏する三人のバランスが良くてここでも止まる。


桜川慈悲成という名前を初めて聞いたけど、この人の描く「七代目市川団十郎の暫」の
左上のコウモリが可愛い。ポストカードにもなっていたので、買ってしまった。
もっと大きく載っていてくれてもいいくらいの可愛さである。



「肉筆画と画稿、版下絵」の章にたどり着くまでに、もうお腹いっぱいだったけど、見始めるとこちらも面白い。
さながらデザートは別腹、だ。

版下絵は浮世絵を制作する時の下絵で、絵師自身の筆づかいが直接見られる所が貴重なのだそうだ。

歌川秀貞「合戦図」は絵が細かくて、細かいところも力を抜いてないのがすごい。

月岡芳年「熊坂長範と牛若丸」の牛若丸の目のくりっとした所が可愛い。
熊坂は動きがあって、何とも強そうだ。アニメの絵みたいだなぁ。


今回の展覧会は、知ってる人の意外な一面を見ることができる展覧会のような気がする。